最終兵器彼女

こんばんは。

タイトルからおわかりかと思いますが、このあいだ無料キャンペーンをやってたのをきっかけに読みました、「最終兵器彼女」。
気づいたときには全話無料期間が終わってたので、結局途中まで無料で読んだあと全巻電子で買って一気読みした。

この話を読むのは初めてではないんですよねー。
たしか初めて読んだのは高校生か大学生の頃だったような。
記憶が定かじゃないけれど、妹に勧められて読んだような気がする。

読んだきっかけすらすでにおぼろげなので、当時の私がこの話を読んで何を感じたのか、今となっては何も思い出せません。
ただ、たくさん泣いた記憶だけがぼんやりと残ってるだけ。

悲しいかな、こんな感じで私は良くも悪くも過去のことをどんどん忘れていってしまう人間なので、大人になってから読み返してみて心に浮かんだことをここにつらつらと書き記しておこうと思います。
普段は読んだものの感想はたいていてがろぐに記録しているけれど、長くなりそうなのでこっちに書く。

ひたすらに、恋を描いた作品だった。

そこに焦点が当てられているので、世界も主人公のちせちゃんも大変なことになってるけれど、そこに関する説明はほとんどないんですよね。
いわゆる背景とか設定のようなものは正直ちょっと気になるし、知りたいなと思うんだけど、二人の恋にフォーカスするうえではたしかにそこは別に知らなくても問題なくて、不必要な部分をそぎ落とす潔さや技量がすごいなと思いました。
描きたいことがはっきりしてるからこそできることだよね。

愛と違って、恋っていうのはとても利己的で独りよがりで、なおかつ自分ではちっともコントロールができないものだと常々思っているのですが、主人公であるシュウジとちせの恋はまさしくそんな感じ。
二人とも相手を思いやる気持ちももちろんあるけど、根っこの部分で独りよがりで、頭では色々考えつつも感情と体の衝動の前には為す術もなく、あー恋してるな!って。

そうやって一生懸命恋をする二人の姿が眩しくて、苦しくて、切なくて。
それから二人の恋だけじゃなく、二人を取り巻く人達の恋愛模様にもかなり心を揺さぶられました。
感情ぐちゃぐちゃで号泣。
大人になってもやっぱり泣いてしまった。
涙の意味は初めて読んだときと違うような気はするけれど。

ちなみに、様々な恋愛模様の中には賛否両論ある恋(?)もあったけど、まあでもそれでこそ恋だから。
いい悪いを論じることはあまり意味がないような気がする。

あと、シュウジが楽な方や欲に流されそうになったり、情けなかったりするのも高校生という年齢のリアルさがあっていいなと思った。
ちせちゃんが「お仕事」よりも恋を優先したりするところも。
だって高校生だよ?
大人だって受け止められないかもしれないのに、大人と子どもの境目にいる二人がああいう思考や行動をとるのはごく自然なことだと思う。
むしろ全然ブレなかったらびっくりするわ。
そうやって様々な葛藤を経たうえで最後の二人にたどり着くからこそ、胸に響くものがあるんじゃなかろうか。

……なんか何書きたいかわかんなくなってきた。

うまく言語化できなかったけど、「恋」というものについて自分の中の定義というか思うところを改めて深く考えてみるきっかけになっただけでも読み直してみて良かったと思う。
私はわりと好きだな、このお話。

番外編、といっていいものか、このお話のサイドストーリー的なものがまとめられたものもついでに買って読んでみたけれど、こちらもなかなか良かったです。
内容的に人を選ぶものもあるので人にオススメできるかと言われると難しいけど。

現実世界ってキレイなことだけじゃなくて、絶望だったり、胸くそ悪かったり、受け入れがたいことがあったりするもので、だから私は創作の世界でも同じようにキレイな面だけじゃなく負の面も描かれているものを好む傾向にあるし、自分でもそういうものも書けたらと思っています。
そんな人間なので、最終兵器彼女も、番外編集も魅力的な作品でした。

書きたいものを書くって大事ー!!

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